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暴落時に購入した優良株は「金の卵を産む鶏」になる③:ノエビアホールディングス

暴落時に購入した優良株は「金の卵を産む鶏」になる③:ノエビアホールディングス

はじめに(シリーズ共通)

 コロナショックによる株価の低迷で、投資を始めるのに良い機会だと考える方が多いためなのか、ネット証券口座の新規開設数が増えているようです。最近は少し株価が戻ってきていますが、コロナショックによる世界経済への影響を考慮すると、今後、株価の再度の下落や低迷が続くかもしれません。
 私が株式投資を始めたのはリーマンショックにより株価が低迷しているときでした。今振り返ると、このようなタイミングで優良な株を購入し、ホールドし続けたことが、資産の拡大と不労所得の増大に寄与しています。株価が上昇しても、基本的にはホールドし続け、キャピタルゲインを積極的には取りに行かないため、短期間で大きく資産を増やすことはできませんが、今回の株価暴落においても含み益がかなりある状態なのでストレスはほとんど感じません。なお、優良な株主優待銘柄の特徴になるのかもしれませんが、「業績が悪化しても株価があまり下がらない」、ということも経験しました。暴落時に優良な株を購入し、ホールドし続けるという手法は、購入時以外は手間があまり掛からないため、本業のために投資にあまり時間を掛けられないサラリーマン兼業投資家にとっては一つの投資スタイルに成るのではないかと思います。
未来のことは分かりませんが、過去を振り返ることはできます。かといって未来が過去と同じようになるとは限りませんが、いくつか実例を紹介させて頂きたいと考えています。何かの参考になれば幸いです。

 

ノエビアホールディングス(証券コード:4928)の場合

購入タイミング 

 図1はノエビアホールディングス(証券コード:4928)の株価チャート(月の終値)です。同社はノエビアが単独株式移転により設立した持株会社であり、2011年3月に東証2部に上場しました(ノエビアは上場廃止)。私は同社の前身であるノエビアの株をリーマンショックによって市場が低迷している時期に平均単価964円で1100株取得していました。同社の設立に伴いノエビアの普通株式1株に対して同社の普通株式1株が割当交付されたため、2011年3月に同社の株主になりました。
 同社の株価は、一度、2011年11月に20%以上下落することがありました。この際、「損切り」が選択肢の一つになったのですが、当時は単身赴任をしており、仕事が忙しく、さらにリスク許容度が高い資金による投資であったため、あまり深刻に考えることもなく放置している間に株価は元の水準に戻りました。この下落時に、もし、損切りしていたらおそらく後悔したことと思います。 

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図1 ノエビアホールディングスの株価の推移(月の終値)

  現在もコロナショックで株価が下がった状態ですが、このように市場全体が低迷している状況で株を購入した場合、さらなる株価の下落や株価の低迷が数年続くかもしれません。しかし、優良な株であれば、長く持ち続けることで報われるケースをいくつか体験しました(暴落時(過去)に購入した日本株について①:トヨタ自動車 - i-papax’s blog暴落時に購入した優良株は「金の卵を産む鶏」になる②:日本マクドナルドホールディングス - i-papax’s blog

)。

 配当や株主優待のある優良株を暴落時に購入し、何年も保有し続けるという方法は、頻繁なメンテが不要なことからサラリーマン兼業投資家には適した投資方法ではないかと思います。この際、底値を拾うことは困難なのでタイミングを計らろうとせず、低迷している期間に何度かに分けて購入することが望ましいと思います。

 

上昇局面 

 その後、予想していなかったのですが、同社は2012年8月に東証一部に昇格しました。昇格後は業績が好調なこともあり、株価は右肩上がりに上昇し、2018年1月には買値の9.5倍を超えて、もう少しでテンバガーという状態に到達しました。このタイミングで売れば800万円(税引き前)程度の利益が得られたことになります。しかし、迷ったあげく配当や株主優待といった不労所得の供給源として継続してホールドすることを選択しました。

 その後、株価は下落し、最高値と比較すると約400万円の利益(含み益)が消えたことになります。しかし、後述するとおり、投資元本は実質、回収済みであることもあって、後悔はしていません。むしろ、草食投資家としては良い判断だったと考えています。

 

ノエビアホールディングスの株主優待

 

 ノエビアホールディングスの株主優待は、9月30日または3月31日に株主名簿に記載された100株以上保有の株主が対象になります。内容は、100株以上1,000株未満の株主は同社グループ商品セット(税抜2,000円相当)、1,000株以上の株主は同社グループ商品セットまたは同社商品のフリーチョイス(どちらも税抜22,000円相当)です。9月と3月の株主に対し、それぞれ上記株主優待が頂けるので、年2回頂くことができます。  

 

キャッシュフローを生み続ける「恩株」

 同社の株をホールドし続けている理由の一つに、株式保有により得られる安定したキャッシュフローがあります。図2にノエビアホールディングスの配当の推移を示します。同社は2011年の持ち株会社設立以降、連続増配を続けてきました。2020年9月期は2019年と同額を予想しており増配はストップする見込みですが、新型コロナウイルスの影響次第では減配があるかもしれません。
 しかし、これまで大幅な増配が続いたおかげで配当利回りは大きく上昇し、2019年9月期には買値に対する配当利回りが税引き前で20.75%とかなりの高配当になりました。また、2011年以降に得られた配当の総額は税引き後で既に投資元本の7割以上を賄っています。さらに年間約35,000円相当(雑所得として税引き後)の株主優待を考慮すると投資元本は既に回収済みとなっており、いわゆる「恩株」の状態と考えることができます。「恩株」とは一般に、ある銘柄に投資した金額を、その銘柄の一部を売却した売却益で回収した上で、残った保有株のことをいいます。このケースでは、株式の売却を経ずして、実質「恩株」になりました。
 また、わずかではありますが、毎月時価評価額に対して貸株料(SBI証券0.1%)を得ることも可能です。この際、株価の上昇により、買値換算の貸株金利は実質5倍程度(4/21の株価で換算)と考えることができます。

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ノエビアホールディングスの配当の推移

今後について

 ノエビアホールディングスの持ち株数は、100株を親族に譲渡したため、現在は1,000株となっています。1,000株保有の場合、配当と株主優待を合わせると税引き前で年間244,000円相当のキャッシュフローを生み出します。新型コロナウイルスの業績への影響が気になるところですが、投資元本は既に回収済みの「恩株」であるため、大きな変化がない限り、引き続き、餌を与えなくとも『金の卵を産み続ける鶏』として長期間ホールドする予定です。

 

(投資は自己責任でお願いします)

 

 

 

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